さて皆さんは、多肉植物をどのような土で育てていますか?買ってきたままの土?市販の培養土?多肉植物用の土?
今では、ホームセンターなどでも多種多様な土が販売されていますから、市販されている土で、うまく管理できているよと言う方は、もちろん そのままで大丈夫です
しかし
- いくつかの商品を試してみたけど、うまく管理できずに枯らしてしまった
- そもそも多肉植物用の培養土がなかなか手に入らない
- 管理を楽にしたいから、水やりの回数を少なくしたい
- 日当たりが少し悪く乾燥しにくいから、もっと水はけのいい土にしたい
そんな皆さんは、ぜひこのブログを参考に、オリジナルのブレンド土づくりに挑戦してみませんか?
基本用土や改良用土などの特性を理解して、厳選したオリジナルブレンド土をつくりましょう!
オリジナルブレンド土を作るメリット
オリジナルブレンド土をつくることで、次のようなメリットがあります
全て同じ管理方法で統一できる
新しく購入してきた苗も、今まで管理していた苗も、同じブレンド土を使い植え替えすることができれば、すべて同じ管理法で統一できます
同じ条件下での管理が可能になると、
- この品種は、より日当たりを求める苗だな
- この品種は、他の種より水やりの頻度を増やしたほうがよさそうだ
など、ひとつひとつの苗の特徴が理解しやすくなり、総じてより良い管理ができます
自分に最適なブレンドがつくれる
自分の管理方法にあわせる
毎日のように苗の観察をして、水やりをするもの大好きな方であれば、水はけのよい土の割合を増やして対策してみます
逆に、忙しくなかなか、苗を管理する時間がとれないので水やりの回数を減らしたい場合、少し水持ちのいい土の割合を増やすことで対策してみます
このように、ご自身の多肉植物への管理法に合わせて、配合することが可能です
自分の管理環境にあわせる
皆さんが多肉植物を管理する環境は、同じではありません
多肉植物の管理に最適な、日当たりがよく風通しもいい雨にうたれない軒下で管理している方もいれば
日当たりや風通しが少し悪かったり、雨にうたれてしまう場所であったり管理する環境は色々です
だからこそ、本来はその環境に適した土が必要です
それを、自分自身でブレンド(環境に適した土を配合)することができます
ブレンド土を基本にアレンジが可能
品種ごとの特徴が理解できていれば、その品種に合わせたブレンドにアレンジすればより管理しやすくなります
例えば、【黄金丸葉万年草】のような草系のセダムは、多肉植物の中でも水を好む部類です
このような品種を管理している鉢では、オリジナルブレンド土に保水性の高いバーミキュライトを足して水持ちをよくするアレンジができます
また、どんどん成長させて大きく、またはどんどん増やしたい品種がある場合
オリジナルブレンド土に、肥料成分に富んだ培養土を足してアレンジするなど
基本のブレンド土に、目的別・用途別のアレンジをすることができます
ブレンド土用土の種類
それでは、オリジナルブレンド土のメリットを確認したので、ブレンドに使う用土について紹介していきます
とは言え、用土も本当にいろいろとありますので、今回は『多肉植物専門店MYplus』で使用しているものを例に紹介していきますね
基本用土
基本用土とは、園芸用の基本となる土です
赤土、黒土、赤玉土、鹿沼土、真砂土、川砂、などがあります
赤玉土
- 関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて粒の大きさで分けたもの
- 通気性・排水性・保水性・保肥性に優れる
- ほぼ無菌
- 使用することで粒がくずれ微塵になる
- 『多肉植物専門店MYplus』では、10㎜以下の粒(小粒)を使用
鹿沼土
- 関東ローム層の赤土の下にあり栃木県鹿沼地方で産出される
- 軽石質の風化した薄黄色の土
- 通気性・保水性に優れる
- 水に濡れると、色が黄色に変わるため土の乾燥状態がわかりやすい
- 微塵になりやすい
- 『多肉植物専門店MYplus』では、2、3㎜程度の細粒を使用
改良用土
改良用土とは、基本用土に混ぜることで通気性・排水性・保水性・保肥性を改良する土のこと
ボラ土
- 宮崎台地の下層土(別名:日向土)
- 通気性・排水性に優れる
- 黄褐色の軽石
- 排水性の改良によく使用される
- 粒が崩れにくい
- 『多肉植物専門店MYplus』では、3、4㎜の微粒を使用
ピートモス
- 湿地の水ごけ類が堆積して泥炭化したもの
- 通気性・保水性・保肥性に優れる
- 腐葉土と似た性質でほぼ無菌
- 欧米での園芸では古くから使用
- 軽い
- 『多肉植物専門店MYplus』では、弾力がある良質なピートモスを使用
バーミキュライト
- 蛭石を高温処理し膨張させたもの
- 保水性・保肥性・通気性に優れる
- 薄板が層状になったアコーディオンのような形状で、水分や養分を蓄える
- 非常に軽く無菌
- 『多肉植物専門店MYplus』では、外からの熱を遮断し、内部の熱を保ちやすい性質を考慮して熱すぎる真夏には土の温度が上がりにくく、気温が下がる冬には土の温度が下がりにくくする効果をねらって使用
もみ殻燻炭
- もみ殻を炭化させたもの
- 通気性・保水性に優れる
- バーミキュライト同様に保温効果もあり
- PH値がアルカリ性のため酸性の土の酸度調整に使用される
- 『多肉植物専門店MYplus』では、ブレンド土の酸度調整と細菌やカビの発生を抑制する効果をねらい使用
パーライト
- 真珠岩を砕いて高温高圧処理した人工の土
- 通気性・排水性に優れる
- 非常に軽く無菌
- 水やりで浮かびやすい欠点
- 『多肉植物専門店MYplus』では、土全体の重量調整と団粒構造形成のため使用
市販の培養土
- 花と野菜の培養土として市販されているもの
- 酸度調整済
- 腐葉土、元肥入り
- ゼオライト配合の根腐れ防止剤入り
- 『多肉植物専門店MYplus』では、有機物改良用土として有効な微生物働きを活発化する効果を期待して使用
『多肉植物専門店MYplus』のブレンド土
今回、ご紹介した以外にも
基本用土では、黒土、赤土、真砂土、川砂、富士砂など
改良用土では、軽石、ゼオライト、珪酸塩白土、たい肥(牛糞、バーク)などたくさんあります
市販されているものの大半は、袋の裏面に内容が詳しく記載されているので、参考にしてブレンドに追加していくのもいいかもしれませんね
『多肉植物専門店MYplus』では、8種類の用土を一定の割合でブレンドして使用しています
自分達は、ビニールハウスでの生産ですので、排水性は下げずに、少し保水性や保肥性がよい配合になるよう工夫しています
なので、完成株や親株には、さらに大き目のボラ土を混ぜてアレンジもしています
もちろん、店舗での販売しています、興味がありましたらぜひお試しください
さあ、皆さんもチャレンジ!
目指す土の性質は
目指すオリジナルブレンド土の性質は、『土の3相って何?土の基本について考えよう』でも詳しく紹介していますが
- 『通気性・排水性がよい乾きやすい土』が基本です
そして、『もう迷わない!多肉植物に最適な培養土の選び方』でも紹介している
- 『団粒構造』を形成すること
団粒構造とは、土壌の粒子が小さなかたまりを形成している構造で、保水性に富みながら排水性・通気性もよく、作物の生育に適する土のことです
試行錯誤が大事
もちろん よりよい土を目指してブレンドしますが、はじめから全てはうまくいきません
「花づくりは、土づくりから」なんて言葉もあります
毎年、気候の変化はありますし、今年よくても来年よいかは誰にもわかりません
なぜ、こうなったのか、どうすれば更によくなるのか試行錯誤することも楽しんでほしいと思います
それでは、『 あなたと わたしに 多肉植物のある生活をplus♪ 』ありがとうございました